レシピの話

フランス地方料理を巡る旅

グラン・テスト地方

クグロフ

Kouglof

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 ご紹介する「クグロフ」は、17世紀頃に生まれた発酵菓子と言われています。名前の由来として、アルザス地方の「リボーヴィレ」という村に住むこの型を作り出した陶器職人「クゲル」の名前からきているとする説や、ドイツ語のクーゲル(球)とホフ(聖帽)からきているとする説など様々です。この続きは「シェフエピソード」でお話しすることにしましょう。
 アルザスに行くと、クグロフ型やベッコフ鍋、フォアグラのテリーヌ用の型など様々な陶器が売られています。一つ一つ絵柄や色が異なり、サイズも豊富で、自分好みのものを選ぶのはとても楽しいのですが、絞り込むのは一苦労。重い事、ワレ物である事などハードルも高いのですが、次に行くことがあれば買ってこようと決めています。日本でも陶器製やアルミ製などのクグロフ型が手に入ります。クリスマスにはリボンを付けて売られているクグロフ。アルザスの白ワインともぴったりです。

材料

<材料>(φ14cmクグロフ型×2台分)
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  • バター : 120g
  • 砂糖 : 40g
  • 卵 : 2個
  • 強力粉 : 200g
  • 塩 : 2g
  • 牛乳 : 80ml
  • ドライイースト : 6g
  • アーモンド : 30g
  • 干しブドウ(ラム酒漬け): 40g
  • オレンジピール: 40g
  • レモン皮すりおろし: 1個分
  • 粉糖: 適量

作り方

  • アーモンドを30分間、水に浸す。水気を切り、バターを塗った型の底のくぼみに置く。
  • 牛乳を30℃に温め、ドライイーストを溶き、数分間おく。
  • バターを柔らかく練る。砂糖を加え練る。溶き卵を数回に分けて加え、混ぜる。
  • ふるった強力粉・塩・②のドライイーストを加えこねる。38℃で60分間、一次発酵させる。
  • フィンガーチェックし、20分間、ベンチタイムをとる。干しぶどう・オレンジ・レモンを加えて捏ねる。
  • リング状に成型し、型に詰める。38℃で20分間、二次発酵させる。
  • 170℃のオーブンで約30分で焼き上げる。
  • 器に盛り、粉糖をふる。
 

シェフエピソード

 クグロフについてのお話しの続きです。主にオーストリア・ポーランド・ドイツで作られていたものが、オーストリアのハプスブルク家から、後のルイ16世に嫁いだマリー・アントワネットによって、お気に入りのお菓子としてフランスに伝えられたとされています。その後、19世紀にアントナン・カレーム(偉大な菓子職人兼料理人、「料理の王」「国王のシェフ」「シェフの帝王」「包丁を持った建築家」と称された。)がパリで流行させたとか、菓子屋「ジョルジュ」がパリで初めてクグロフを売り出したとか、これまた様々な話があります。ちなみに甘味だけでなく、ベーコン等が入った塩味のクグロフもあります。
 さて、アルザスの三ツ星レストラン(当時)「オ・クロコディル」でのそれはそれは素晴らしい食事のあと、エミール・ユングシェフが自らキッチンとカーヴ(ワイン庫)を案内してくれるというサプライズに大感動。次の予定の友人を訪ねるために同じく三ツ星(当時)の「ル・ブリュイーゼル」へ向かい歩き出しました。贅沢な三ツ星レストランのハシゴです。石畳を歩いて行くとストラスブール大聖堂が見えてきます。首を痛めてしまいそうな体勢でないと、全体を見ることができないくらい壮大な建造物です。「でっかーいー!黒ーい!すごいなあー!」

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 目を下にやると、あちらこちらにあるショップやパティスリーのショーウインドーは、綺麗に飾られ、パティスリーには、たっぷり粉糖をふるって、リボンでおめかしをした名物「クグロフ」や何種類ものお菓子と大小色柄とりどりの可愛いクグロフ型が並べられていました。そう言えば、もうすぐクリスマスの季節!華やかなはずです。広場や道端には、可愛い出店が並び、アルザス土産の人形や置物などのギフト、ヴァン・ショー(ホットワイン)などが売られていました。
せっかくストラスブールに来たのだからと、自分のお土産として、この「クグロフ型」をひとつだけでも購入したかったのですが、全財産を食事につぎこんでしまった私には、叶わぬ夢でした(涙)。
 そして帰国して数年後、東京の合羽橋道具街で偶然、小さな「アルザスのクグロフ型」を発見し、即ゲットし、あの時のリベンジをやっとはたしました。今も大切に押入れのどこかに・・・あるはずです。
 「ル・ブリュイーゼル」のキッチンをとても親切な現場シェフの案内で見学させてもらい、アルザスのシンボルである本物の「赤いクチバシのコウノトリ」も見て、次の予定で約束していた日本の外務省から語学留学で来ていた若い官僚の皆さんとバーでビールを飲みながら、お互いの今おかれている環境の違いに驚きつつ、日本の最新情報を聞かせてもらい、楽しく過ごしてから、慌ただしくブルゴーニュに向けて、アルザスを後にしました。日付けは変わり、外は真っ暗です。朝8時半に仕事です。 (シェフM.T)

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